平成25年度平成24年度
本研究課題では,我が国の持続可能な発展のために,計算機科学とミクロ経済学の技術を統合/発展させ,経済的,社会的,環境的な観点からの要求をバランスした,希少な資源の望ましい配分を実現するメカニズムの設計理論を構築することを目的としている.
具体的には,① 実現可能な資源配分メカニズムの設計技術,②資源配分メカニズムの解析技術,③ 資源配分メカニズムに関する表現技術を柱として研究を進める.
平成24年度は初年度に関わらず,分担者との共同研究活動を円滑に推進でき,多数の研究成果を輩出することができた.テーマ①に関しては,離散凸解析の手法を適用し,サプライチェーンの安定性について研究を行った.テーマ②では,不完全私的観測付き繰り返しゲームおいて,均衡を求めることはこれまで未解決問題であったが,有限計画均衡と呼ばれる均衡概念を求める実現可能な手法を開発した.また,テーマ③では,施設配置ゲームにおける仁・シャープレイ値の計算等に関する研究を推進した.
さらに,応用事例に関して,周波数オークションについて,日本の第四世代の周波数オークションに適用可能なメカニズムの提案を行った.
本研究成果は,マルチエージェント分野の最難関国際会議(AAMAS)に採録され,2013年5月に発表予定である.ジョブマッチングについて,下限制約付きマッチングアルゴリズムの提案を行った.
全体活動としては,6月に第1回の全体会議として東京でキックオフミーティングを開催した.また,10月にキックオフシンポジウム
を開催し,40名の参加者があった.3月には第2回の全体会議として研究会を開催し,海外研究協力者のスタンフォード大学 小島先生,大阪大学 佐野先生を招き,活発な意見交換を行った.また,分担者や関連研究者の研究発表会を定期的に開催し,研究交流を深めた.
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